人生のスタートはいつもきらきらしていて素敵です。
友人の結婚が決まった時から、自分のことのように喜びました。
青春時代を共にした友人、同じ目的で始めたサークル、社会人になっていろんな躓きや失敗を見て、まるで姉妹のように泣いたり笑ったりしてきました。
そんな彼女へのプレゼントはいったい何がいいのか、ずいぶん迷いました。サークルでは彼女の不器用さに、みんなで応援したこともありました。
そうだ、既製品のものよりも手造りがいいと考えました。私はミシンを引っ張り出して、本を本棚から持ち出して模索しました。
本の中には図案がありました。それは刺繍の図案です。女の子が野原にお弁当を持って行って食べるシーン。そこには子犬もいっしょです。日傘をさしている女の子の側には大きな木があります。とても温かくて希望にみちあふれた風景です。
よし、これだと思いました。毎日少しずつ刺繍をしました。出来上がるには時間がかかりますが、一針一針に思いを込めます。
白いリネンの布の中には夢と希望を抱いた女の子が現れました。だんだん風景が出来上がっていきました。刺繍が終われば後は縫い合わすだけです。クッションが出来上がりました。
私の気持ちはこれだけではありません。手紙を書こうと思いました。
以前から、私の手紙は長いと言われ、いいのか悪いのかよくわかりませんが精一杯の気持ちを書きました。彼女はそれを見て、大喜びをしてくれました。
彼女の喜ぶ顔を見て、私も幸せな気分になったのです。これが私の結婚のお祝いです。