結婚祝いプレゼント|弟の人生の門出に初心をわすれす

5年前に弟が結婚しました。二人兄弟です。兄弟が結婚した場合、その結婚祝いの相場はいくらぐらいということは前に聞いて知っていました。

私もほかならぬ弟の人生の門出なのですから、それなりのことはしてやりたいと思ってました。

けれど、式の当日に祝儀袋にそれなりの金を包んで渡すというのはいかにも他人行儀で、儀礼的に過ぎるような気がして嫌でした。

それで、結婚が決まって少ししたときに、弟を誘って飲みに行くことにしました。それまでにも父もいっしょに弟と飲んだことはありましたが、兄弟二人だけで飲むのははじめてでした。

最初はちょっと照れもあってぎこちなかったですが、10分で簡単にうちとけあえたのは兄弟ならでは。

まるで子供のころに戻ったみたいに丸裸で飲み語り合いました。兄弟っていいなあ、とその時はじめて実感しました。

別れ際に、用意してあった祝儀を渡しました。私なりに精いっぱいの額にしたつもりです。弟は「悪いなあ」と言いましたので「悪いと思ったら結婚なんかするなよ」と答えました。

私はまだ独身、弟に先を越された形だったからです。そんなことが言い合えるのも兄弟だからでしょう。

式当日。すでに祝い金を渡してある私は別にあらためて包む必要はなかったのですが、ちょっといたずらしてやりたいと思いました。

何かおもしろい趣向はないかと考えていた際に、母が弟の「へその緒」を、「あの子も結婚するのだからこれを渡してやろう」と言っているのを耳にしました。

「これだ!」と思った私は、母からそのへその緒をもらって、祝儀袋に入れ、弟への祝儀としたのです。

祝儀袋には一筆書き添えました。「これは君のへその緒です。これが君のほんとうの『初心』です。

この初心を忘れず、間違えのない道を歩んでください」。これが私から弟への、本当の結婚祝いでした。

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