私が結婚したのは16年前。
その頃、勤めていた会社ではいわゆる「職場の花」的な存在だったので、職場のみんながとても祝福してくれました。みんなからお祝いもたくさんいただきました。
気心知れた仲間だったのでみんな欲しい物を聞いてくれてリクエストしました。特に親しく付き合っていた大好きな先輩がいました。
私よりかなり年上だけど、可愛らしい人でよく2人で呑みに行っていました。先輩は若く青臭い私の話を偏見をもたずに聞いてくれました。
その先輩も結婚祝い、何がいいかな?と聞いてくれて、私は「シンプルな掛け時計が欲しい」と答えました。その先輩はいろいろ探してくれて、私が理想としていた掛け時計をプレゼントしてくれました。
数字が書いていなくて、あんまりカチカチしなくて木目のナチュラルな丸い掛け時計。そんな私の願いにぴったりな時計を先輩は探してくれたのです。
そしてその時計はいつも我が家のリビングにありました。結婚してから今の家は4軒目なのですが、どの家のリビングにもなじんで、優しく時を刻み、時間を教えてくれていました。
中古ですが、6年前に手に入れたマイホームは壁がなんと板張りです。そのリビングにもこの時計はとてもマッチして溶け込んでいます。この時計を見るたびに先輩を思い出し、優しい気持ちになれるのです。
結婚してからずっと我が家の時間を刻んでくれているこの時計。ずっとずっと大切にしていきます。こんな結婚祝いをプレゼントしてくれた先輩には今も感謝の気持ちでいっぱいです。